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PROFILE

フランスに渡り自らの足でシャトーやドメーヌを巡り、帰国後、数々の名店でシェフソムリエ・支配人として活躍。現在はフレンチワインバーのオーナーソムリエとしてこだわりのワインを提供。

NAGAHIDE SHIMAMOTO

第2回

本場フランスの味を日本でも

~チーズとワインのマリアージュ~

衝撃的! 本場フランスのチーズとワインの楽しみ方

実は本場フランスでは、みなさんとても自由にチーズとワインを組み合わせて楽しまれています。日々の生活に当たり前のようにチーズとワインがあるので、王道の組み合わせだけでなく、いま手元にあるものをさっと組み合わせて上手にいただけるんですね。
現地で衝撃的だったのは、あるチーズとワインの組み合わせです。ブルゴーニュのワインはボディとタンニンがソフトなために、グラスに入れて数時間経つと酸化が進んでしまいがち。味が落ちるとともに、ギシギシとした酸味が強くなったワイン……その生命力を蘇らせることができるのが、同じくブルゴーニュでつくられている有名なウォッシュチーズなんです。現地のソムリエさんに勧められて、そのチーズを一口食べてからワインを飲んでみると……なんとワインに甘味と生命力が戻ってきました! たとえるなら、おじいさんがいきなり青年に若返ったような衝撃です。
他にも、表面に凹みのあるチーズに強めのマール酒を注ぎ、そのまま崩しながら食べるという大胆な方にも出会いました。日本人にはとても考えつかないようなチーズとワインの自由な楽しみ方を知っているのが、フランスの人々ですね。

店でもおすすめしているチーズとワインの楽しみ方

いわゆるフランス料理のコースですと、前菜からメインまでを食べた後、デザートの前にチーズを楽しむという流れになります。メインを食べ終わった頃にはお腹もいっぱいになっていて、せっかくのチーズをスキップされる方も。しかし、私の店「ラ・カーヴ・ド・ノア」はコースではなくアラカルト。ですので、コース料理とは違ったチーズの楽しみ方を提案しています。
たとえば、料理を待っている間にチーズをつまみながらワインを飲み、メインにそなえて食欲を促進していただくという楽しみ方。料理が来たらそちらを召し上がっていただき、食べた後に残ったチーズをつまみにワインを飲みながら食後の会話を楽しむのもいいですよね。また、最後にお腹に余裕があれば、とろとろになった濃厚なウォッシュチーズを〆に召し上がっていただくのもおすすめ。
この場合、おつまみとしておすすめしているチーズは、カマンベールなどの白カビタイプや、水分が少なめのハードチーズなどです。クセも少なく後味も残らないので、次に食べる料理に影響が出にくいというメリットがあります。
ちなみに私の店で一番人気のあるチーズは、先ほどの〆でもおすすめしたウォッシュチーズ。特に、熟成が進んでとろとろになったものが人気です。

店の営業を終えた後、私には密かな楽しみがあります。それは、熟成が進みすぎてちょっとお客様にはお出しできなくなった白カビチーズを、甘味のあるピノ・グリなどのワインと合わせてちびちびいただくこと。香味が強くなりすぎた白カビチーズをあたたかい場所に置いておき、とろとろになったところをスプーンですくっていただく……これが最近の私の趣味(!?)ともいえますね。

次回もお楽しみに